2012年11月10日、日本とグアムの親善交流を目的とする記念すべき第1回の ‘日本グアム親善大会’ 大会が開催されました。日本からは、JBBF藤原達也副会長を団長とした9名の選手(相川浩一、廣田俊彦、奥村武司、渡辺信行、田代圭、白土清実、近藤一隆、谷ノ口昭太郎、太田祐宇樹)が出場しました。

グアムに到着し、滞在先のレオパレスリゾート・グアムに移動した日本選手団を待っていたのはTVをはじめとする報道関係でした。日本グアム親善大会の主催関係者によるプレスカンファレンスではJBBF藤原達也副会長を団長とする日本選手団が紹介され、その模様はTVニュースで報道されました。

日本グアム親善大会の前日には出場手続きが行われました。手続き会場となったパラダイス・フィットネスセンターに車で移動した選手たちは、体重測定と選手登録を行いました。

日本グアム親善大会の審査は、11月10日の午前中にプレジャッジ、そして夕方からファイナルが行われました。ステージに隣接した控室では出番を待つ選手たちは、寝転んだり、音楽を聴いたり、仲間と会話を楽しんだりと、それぞれの方法で時間をつぶしています。そして、ステージに上がる出番が近づくと、筋肉に張りを持たせるために‘パンプアップ’を始めます。

(右の写真は、一緒にパンプアップをする廣田俊彦選手と田代圭選手です)

親善大会と同時開催されたグアムの国内大会では女子ボディフィットネスのコンテストも行われました。

出場する女子ボディフィットネスの選手たちはパンプアップでボディラインをよりグラマラスに仕上げます。そして、ステージに立つ直前には立ち姿勢を確認します。もちろん、メークのチェックも欠かせません。

オープニングセレモニーに参加していた笑顔の素敵な地元の少女たちと仲良くなった白土清実選手。国際親善大会ならではの交流です。

マスターズ(40歳以上)

グアムからのマスターズ出場選手が少なかった事もあり、奥村武司選手と田代圭選手の日本人同士での優勝争いとなりました。そうした中、グアムのアンソニー・アンダーソン選手が孤軍奮闘しました。

観客から最も歓声を浴びていたのは、76歳の最高齢で出場した渡辺信行選手(写真左)です。白土清実選手(写真右)とのマスキュラー対決でも力強いポーズを見せてくれました。

バンタム級(65㎏以下)

親善大会で最も盛り上がったのは、このバンタム級のポーズダウンです。このクラスに出場した太田祐宇樹選手(写真右)がグアムの選手たちに果敢にポージングを挑み、観客も巻き込んだ素晴らしいステージングを披露してくれた事で会場が大いに盛り上がりました。グアムのジョシュ・メルカド選手(写真中央)も太田選手のパフォーマンスに触発されたのか、アグレッシブなステージングを見せてくれました。

このクラスでは、完璧な仕上がりで臨んだ田代圭選手(写真中央右側)が他を圧倒していました。

順位発表で勝敗が決した後にお互いの健闘を称えあい握手を交わすグアムのジョシュ・メルカド選手(写真左)と谷ノ口昭太郎選手(写真右)。スポーツマンシップを感じる清々しい光景です。

ライト級(70㎏以下)

奥村武司選手(写真左)と廣田俊彦(写真右)の間でポーズをとるのはグアムのデヴィン・チャコ選手(写真中央)です。デヴィン・チャコ選手はグアム国内大会のジュニアの部で優勝した若い選手で、まだ細身ですが素晴らしい筋肉のバランスとプロポーションの持ち主です。将来性を感じるとても素晴らしい選手で、このライト級で圧倒的な筋量と密度を持つ奥村選手と国内外で活躍したステージングに長けた廣田選手に挟まれながらも異彩を放つ存在感を見せていました。

奥村選手(写真右)に筋量で肉薄していたのはグアムのケビン・レオン・グレロ選手(写真中央右側)です。体幹部の発達が素晴らしく、ずっしりとした重みを感じる筋肉の持ち主です。

ミドル級(80㎏以下)

スケール感のあるワイドな上体を持つ近藤和孝選手(写真中央)と長い手足の優れたプロポーションを持つグアムのケネス・クロウソン選手(写真右)など、大型選手が揃ったミドル級ですが、そうした選手たちの中でも相川浩一選手(写真左)は筋量、筋密度、カットなどの全ての要素で完璧な仕上がりを見せ、圧倒的な存在感を示していました。

相川選手(写真左)と近藤選手(写真右)のサイドチェストポーズバトル!

大会の表彰式でプレゼンテーターを務めたのは二人の美しい女性でした。写真は日本・グアム親善大会と同時開催されたグアムの国内大会女子ボディビルの表彰式の様子です。頭にティアラを載せている女性は、ミス・ワールド2012グアムのジェネーバ・ボスコ嬢(写真右)です。

マスターズ(40歳以上)

1位:奥村 武司、2位:田代 圭、3位:廣田 俊彦

奥村武司選手と田代圭選手による優勝争いは非常に見応えがありました。両選手ともに素晴らしいコンディションで、細部までカットを刻みつけた筋肉の立体的な造形が見事でした。しかし、重量感で分がある奥村選手が評価を集め、優勝となりました。3位の廣田俊彦選手は国内外の大会で活躍したベテラン選手ですが、ディションが甘く、残念ながら優勝争いには加われませんでした。それでも、フリーポーズではメリハリのある表現力豊かな演出で、存在感を一気に高めてきていました。

バンタム級(65㎏以下)

1位:田代 圭、2位:ジョシュ・メルカド、3位:谷ノ口 昭太郎

田代圭選手は見事なコンディションで文句なしの優勝でした。2位のグアムのジョシュ・メルカド選手はグアムの国内大会のジュニア部でも2位になったまだ若い選手ですが、厚みと広がりを兼ね備えた素晴らしい背中を持っており、将来性を強く感じました。もう少しコンディションを上げていれば田代選手と接戦になったかもしれません。谷ノ口昭太郎選手は、ポーズダウンが終わった時点で太田祐宇樹選手と同ポイントで並んでいたため表彰式の前に急きょ両選手による同点決勝が行われました。タイプの全く違う両選手だけに、どちらが勝ってもおかしくない戦いととりましたが、カットに勝る谷ノ口選手が僅差を制して3位に滑り込みました。

ライト級(70㎏級)

1位:奥村 武司、2位:デヴィン・チャコ、3位:ケビン・レオン・グレロ

マスターズで優勝した奥村武司選手ですが、ダブルエントリーでタライト級のタイトルも獲得し、二冠に輝きました。2位になったのは、グアムの国内大会のジュニアの部で優勝したデヴィン・チャコ選手、そして3位にはグアムの国内大会のライト級で優勝したケビン・レオン・グレロ選手が続きました。同時開催されたグアムの国内大会のライト級にはデヴィン・チャコ選手も出場しており、そこでは2位だったのですが、この親善大会では順位が入れ替わってしまいました。それはたぶん、ケビン・レオン・グレロ選手が奥村選手と同じように体幹部の発達した似たタイプの選手だったため、タイプの違ったデヴィン・チャコ選手の方が奥村選手との比較では評価されたためでしょう。

ミドル級(80㎏以下)

1位:相川 浩一、2位:近藤 一隆、3位:ケネス・クロウソン  

優勝した相川浩一選手は日本を代表するトップ選手の一人であるだけに、その存在感は他を圧倒するものがありました。浮き出るようにセパレートする筋肉が、この近年では最高の状態を作り上げてきたことを物語っていました。2位には大柄な外国人選手と並んでも引けを取らないスケール感のある大きな上体を持つ近藤一隆選手が入りました。3位に入ったケネス・クロウソン選手はコンディションが良く、細かいカットもよく出ていました。

親善大会オーバーオール

相川 浩一